年金受給者は確定申告が必要?不要?対象条件と金額基準をわかりやすく解説【令和7年分】

年金受給者ほ確定申告の不要か必要か コラム
📌 この記事の結論

年金以外の所得が20万円以下なら確定申告は原則不要。ただし令和7年の税制改正で判定基準が変わっています。住民税の申告が別途必要なケースもあるので要注意!

① 給与と年金から差し引かれるお金

働きながら年金をもらう場合、給与・年金それぞれから税金と社会保険料が差し引かれます(=源泉徴収)。これは二重課税ではありません。それぞれの所得に対して別々に計算しているからです。

収入の種類 差し引かれる税金 差し引かれる社会保険料
💼 給与 所得税・復興特別所得税・住民税 厚生年金保険料・健康保険料
(40〜65歳未満:介護保険料も)
💰 年金 所得税・復興特別所得税・住民税 厚生年金保険料
(65歳以上:介護保険料も)
📎 介護保険料は65歳を境に差し引かれる収入が「給与」から「年金」へ切り替わります。

② 確定申告が不要になる条件(3つ全て満たす場合)

以下の3つの条件をすべて満たす場合、確定申告は義務ではなくなります(確定申告不要制度)。

1
公的年金の収入が年額400万円以下

2か所以上から受け取っている場合は合計額で判定。
対象:国民年金・厚生年金・iDeCoの年金受取など(課税される年金)
対象外:遺族年金・障害年金・年金生活者支援給付金など(非課税の年金)

2
その年金収入が全て源泉徴収の対象 2026年新基準

年金額が一定額以下だと源泉徴収の対象外になるため確定申告が必須。

年齢源泉徴収対象外となる年金額
65歳未満年間155万円未満(令和7年改正後)
65歳以上年間205万円未満(令和7年改正後)
📎 海外の年金を受け取っている場合は金額に関わらず確定申告が必須です。
📎 確認方法:毎年1月頃に届く「公的年金等の源泉徴収票」の「源泉徴収税額」欄に数字があれば対象。
3
公的年金以外の所得が20万円以下

給与所得・株の配当・生命保険満期金など、年金以外の所得を合算して20万円以下であること。
※給与収入の場合、所得は「収入−給与所得控除」で計算します。

給与収入の目安給与所得(概算)確定申告
85万円以下 2026年〜約20万円以下⭕ 不要
85万円超20万円超❌ 必要
📎 令和7年改正前は「75万円以下」が不要の目安でした。給与収入が変わっていなくても判定が変わる場合があります。
💡 給与所得が20万超でも確定申告が不要なケース

年金収入が少なく、年金の「雑所得」が実質ゼロになる場合は不要になることがあります。

年齢この年金収入以下なら雑所得ゼロ
65歳未満年間60万円以下
65歳以上年間110万円以下
例)66歳・給与収入100万円・年金収入10万円 → 年金所得=0円 → 確定申告不要

③ 確定申告しないとどうなる?ペナルティ一覧
⚠️ 「バレないから大丈夫」は通用しません

会社は「給与支払報告書」を、年金機構は「公的年金受給状況」を役所・税務署へ提出しているため、未申告は把握されます。

ペナルティの種類内容加算率
無申告加算税 期限内に申告しなかった場合 本税の 15〜20%
延滞税 申告はしたが納税が遅れた場合 日数×2.4〜8.7%
重加算税 意図的な隠蔽など悪質な場合 本税の 35〜40%
📅 2026年の確定申告期間:2月16日(月)〜 3月16日(月)

④ 義務がなくても確定申告するとお得なケース(還付)
✅ 確定申告で税金が戻ってくる主なケース
  • 医療費控除:家族合計の医療費が年間10万円を超えた場合
  • セルフメディケーション税制:市販薬(対象品)の購入額が年間1万2,000円超の場合(レシートに★印あり)
  • ふるさと納税(6か所以上・ワンストップ失念):6自治体以上に寄附した場合、またはワンストップ特例の申請を忘れた場合
  • 住宅ローン控除(初年度):年末調整では初年度のみ対象外。2年目以降は年末調整で可
  • 住宅ローン控除(リフォーム):条件を満たすリフォームローンも対象
⚠️ 払いすぎた税金は自分で申告しないと戻ってきません

確定申告(還付申告)は5年間さかのぼって申請可能です。心当たりがある方は確認を。


⑤ 確定申告する際の注意点
注意1:住民税の申告が別途必要な場合がある

所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要なことがあります。特に以下のケースは注意。

  • 副業所得が20万円以下で所得税の申告は不要だが、住民税は申告が必要な給与所得者
  • 確定申告不要制度を使ったが、年金以外の所得が20万円超の公的年金受給者
📎 住民税非課税世帯向けの給付金・制度を受けるには「住民税の申告」が必要です。申告しないと非課税証明書が発行されません。
注意2:確定申告すると追加納税が発生することがある

以下の3つが主な原因です。

1
年金は年末調整がない

源泉徴収は前年の所得をもとにした「概算の前払い」。確定申告で再計算すると差額が生じることがあります。

2
給与と年金を合算すると税率が上がる(累進課税)

それぞれ5%の税率でも、合算すると10%になるケースがあります。所得が高いほど税率が上がる仕組みです。

3
扶養控除などを二重に受けていた場合

給与・年金の両方で同じ控除を受けていると、どちらか一方に統一する必要があり、税額が増えます。

💡 事前確認に便利:国税庁「確定申告書等作成コーナー」で試算すれば、還付か追加納税かを事前に確認できます。

⑥ まとめ:確定申告が必要かどうかの判定表

前提:公的年金400万円以下 かつ 給与収入2,000万円以下の場合

❌ 確定申告が必要なケース
  • (65歳以上)年金収入が年間130万円超
    かつ給与収入が年間85万円超
  • (65歳未満)年金収入が年間80万円超
    かつ給与収入が年間85万円超
  • 海外年金を受け取っている
  • 年金収入が400万円超 or 給与が2,000万円超
⭕ 確定申告が不要なケース
  • (65歳以上)年金収入が年間130万円以下
  • (65歳未満)年金収入が年間80万円以下
  • 給与収入が年間85万円以下 改正後
🔔 令和7年税制改正ポイント

基礎控除額の引き上げにより、確定申告が不要になる給与収入の目安が75万円→85万円に変わりました。昨年と同じ収入でも判定が変わる場合があります。

📌 最終チェック

確定申告の義務がなくても、医療費控除やふるさと納税のために申告する価値があるか、国税庁のシミュレーションで事前に確認しましょう。住民税の申告もお忘れなく!

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