日本人が実際に住んでる国 TOP20から紐解く「海外移住のリアル」

コラム
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導入:海外移住はもはや夢物語ではない。最新データが示す驚きの真実。

近年、「海外移住」という言葉を耳にする機会が増えました。グローバル化の進展、リモートワークの普及、そして日本の将来に対する漠然とした不安。様々な要因が絡み合い、海外での生活を具体的に検討する日本人が増えています。しかし、「憧れ」だけで海外移住を成功させることはできません。ビザの取得、生活費、現地の文化、医療制度など、現実的な課題が山積しています。

本記事では、外務省が発表した2025年10月1日時点の最新データに基づき、日本人が実際に多く住んでいる国TOP20を深掘りします。単なるランキング紹介に留まらず、各国の「リアルな実態」を浮き彫りにし、あなたの海外移住計画に役立つ具体的な情報を提供します。

日本人が住んでいる国 TOP20:最新データで見る移住の実態

外務省の調査によると、2025年10月1日現在、海外に在留する日本人の総数は約129万8,170人です。その分布は以下の通りです。

順位国(地域)名在留邦人数前年比特記事項・背景
1米国416,380+0.7%圧倒的1位。就労・キャリアチャンスが豊富だが、医療費高騰がリスク。
2オーストラリア105,566+1.4%2位に浮上。高い時給(最低賃金約2,500円)を求めた若年層の移住が増加。
3中国92,928-4.7%経済情勢や情報規制の影響で減少傾向が続く。
4カナダ75,316-2.6%留学やワーキングホリデーで人気だが、近年は物価高騰が課題。
5タイ72,113+2.4%日本食やインフラが充実。生活コストを抑えた「安く住む」モデルの代表格。
6英国62,270-2.8%ブレグジット後のビザ厳格化や治安悪化が懸念材料。
7ブラジル49,037+5.3%歴史的な日系コミュニティが強固。
8ドイツ44,648+2.6%残業ゼロ文化、東京より安い住居費などQOL重視派に人気。
9韓国44,471+3.3%近さ、文化的な親和性から若年層を中心に安定した人気。
10フランス35,602-1.2%憧れの国だが、行政手続きの遅さや治安面での課題も。
11台湾24,642+1.4%究極の親日国。生活のしやすさと近さが魅力。
12シンガポール23,812-4.8%ビジネスハブだが、生活費(特に家賃)の世界的な高騰が影響。
13ニュージーランド21,471+5.7%増加率トップクラス。オンラインで安価に起業できるスピード感が魅力。
14マレーシア19,690-1.7%ビザ要件の厳格化により、かつての勢いが鈍化。
15ベトナム16,636-4.4%低コストだが、治安やマナー面での課題が指摘されることも。
16インドネシア15,266+2.2%経済成長に伴うビジネスチャンスが豊富。
17フィリピン13,342+5.5%40歳から取得可能なリタイアメントビザなど、移住ハードルが低い。
18スイス12,297+1.8%物価は世界最高峰だが、平均月収100万円超と「高く稼ぐ」モデル。
19イタリア12,067+1.1%文化・芸術への憧れが強いが、経済状況は注視が必要。
20オランダ11,225+5.3%日蘭通商航海条約により、日本人の個人事業主ビザ取得が容易。

ランキングの裏側:なぜアメリカが1位なのか?そして、なぜあの人気国が順位を下げているのか。

外務省のデータによると、日本人の海外在留邦人数は年々増加傾向にあります。その中でも、常に上位に君臨するのがアメリカです。なぜアメリカはこれほど多くの日本人を惹きつけるのでしょうか。それは、やはり「チャンスの国」としての魅力が大きいでしょう。高い賃金、多様なキャリアパス、そして起業のしやすさ。これらが、多くの日本人にとって大きなインセンティブとなっています。

一方で、かつてロングステイ先として絶大な人気を誇ったマレーシアのように、近年居住者数を大きく減らしている国もあります。これは、2021年のビザ制度変更により、預金額などのハードルが大幅に上がったことが主な原因です。このように、国の政策一つで移住のしやすさが大きく変わるという現実も理解しておく必要があります。

特に注目すべきは、オーストラリアが2位に浮上したことです。最低賃金が約2,500円と高く、若年層を中心に「稼ぎながら豊かに暮らす」というニーズに応えています。同様に、ニュージーランド(13位、+5.7%) や フィリピン(17位、+5.5%) など、起業や移住のハードルが低い国が増加率で上位を占めており、移住のあり方が多様化していることが伺えます。

【厳選】今、日本人が注目すべき「穴場の国」3選

「みんなが行っている国」も良いですが、ここでは意外な魅力を持つ「穴場の国」を3つご紹介します。これらの国は、特定の条件において他の国にはないメリットを提供してくれます。

オランダ:100年前の条約が守る「起業の自由」

オランダは、日本人がフリーランスビザで起業するハードルが極めて低いことで知られています。その背景には、なんと1912年に締結された日蘭通商航海条約が今も有効であるという歴史的な事実があります。この条約のおかげで、日本人は比較的容易に起業ビザを取得し、ビジネスを始めることが可能です。欧州でのビジネス展開を考えている方にとっては、見逃せない選択肢と言えるでしょう。ランキングでは20位ですが、起業志向の強い人にとっては最高の環境です。

ニュージーランド:増加率1位!オンラインで1.3万円で起業できるスピード感

自然豊かなニュージーランドは、近年日本人の移住先として人気が急上昇しています。特に注目すべきは、その起業のしやすさです。オンラインでわずか1.3万円程度で会社を設立でき、ビジネスをスピーディーに開始できる環境が整っています。ワークライフバランスを重視しつつ、自分のビジネスを立ち上げたい方にとって、ニュージーランドは魅力的な選択肢となるでしょう。

フィリピン:40歳から取得可能なリタイアメントビザで「セカンドライフ」を実現

フィリピンは、日本人の移住先として着実に人気を集めています。特に注目すべきは、40歳以上であれば、わずか2万ドル(約300万円)の預金で取得できるリタイアメントビザです。これにより、定年退職後の人生を豊かに過ごしたいという層にとって、極めて現実的な選択肢となっています。物価も安く、日本食も充実しており、セカンドライフの理想的な環境を提供してくれます。

失敗しないための「移住3大チェックポイント」

海外移住を成功させるためには、事前の準備と情報収集が不可欠です。特に以下の3つのポイントは、移住計画の成否を分ける重要な要素となります。

1. ビザの継続性:制度が変わるリスクを想定しているか

マレーシアの事例でもわかるように、ビザ制度は国の政策によって突然変更される可能性があります。長期的な移住を考えるのであれば、現在のビザ制度だけでなく、将来的な変更リスクも考慮に入れる必要があります。常に最新の情報をチェックし、複数の選択肢を検討しておくことが賢明です。

2. 現地の賃金 vs 生活費:スイスのように「高く買って高く売る」モデルか、タイのように「安く住む」モデルか

移住先の生活費と現地の賃金のバランスは、生活の質を大きく左右します。スイスのように物価は高いが賃金も非常に高い「高く買って高く売る」モデルの国もあれば、タイのように物価が安く、日本の収入で豊かに暮らせる「安く住む」モデルの国もあります。自分の収入源とライフスタイルに合わせて、最適なバランスの国を選ぶことが重要です。

3. セーフティネット:アメリカの医療費のような「もしも」の時のコスト

海外での生活には、予期せぬトラブルがつきものです。特に医療費は、国によっては非常に高額になる場合があります。アメリカのように救急車を呼ぶだけで数十万円かかる国もあるため、海外旅行保険や現地の医療制度について事前にしっかりと調べておく必要があります。万が一の事態に備えたセーフティネットの確保は、安心して海外生活を送る上で不可欠です。

ライフスタイル別・おすすめ移住先診断

あなたの人生観やキャリアプランに応じて、最適な移住先は異なります。以下のガイドを参考に、自分にぴったりの国を見つけてみてください。

「稼ぎたい・キャリア重視」なら:米国、オーストラリア、シンガポール

高い給与水準と豊富なキャリアチャンスを求めるなら、これらの国が最適です。特にオーストラリアは、最低賃金が約2,500円と高く、若年層の間で急速に人気が高まっています。

「ワークライフバランス重視」なら:ドイツ、デンマーク、ニュージーランド

残業ゼロ文化や充実した社会保障制度を求めるなら、ドイツやデンマークが理想的です。ドイツは東京の都心よりも住居費が安く、生活の質が高いことで知られています。

「コスパと快適さ重視」なら:タイ、台湾、ベトナム

生活コストを抑えつつ、快適な生活環境を求めるなら、これらのアジア諸国が最適です。特にタイは日本食やインフラが充実しており、日本人にとって最も住みやすいアジア圏の国の一つです。

まとめ:結局、どこに住むのが正解?自分だけの「最適解」の見つけ方。

海外移住に「唯一の正解」はありません。あなたのライフスタイル、キャリアプラン、そして「幸せの定義」によって、最適な国は異なります。本記事で紹介した外務省の最新データと、各国の特性を参考に、自分にとって何が重要なのかを明確にすることから始めてみましょう。

そして、可能であれば「お試し移住」を検討することをお勧めします。短期間でも実際に現地で生活してみることで、インターネットの情報だけでは分からないリアルな感覚を掴むことができます。あなたの海外移住が、素晴らしい人生の転機となることを願っています。

参考資料

外務省「海外在留邦人数調査統計(令和7年(2025年)10月1日現在)」

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