エンジン始動
電池切れ時
意識を失ったら
助手席からエンジンを始動する方法
エンジン始動方法
助手席からできる対処法
- 大声で呼びかけ、肩を揺らして意識回復を促す
- ハザードランプを点灯し、クラクションで周囲に危険を知らせる
- シフトレバーを「N(ニュートラル)」にして駆動力を切る
- 電動パーキングブレーキ(EPB)がある車はスイッチを引き続けて緊急停止(スバル・日産・マツダ等)
- エンジンスタートボタンを数秒〜長押しして強制停止
- ハンドルに手が届くなら操作して、危険の少ない方向・路肩へ誘導
プッシュスタート式の車が当たり前になった今、「キーを差し込んで回す」操作を知らない若いドライバーも増えてきた。便利になった反面、いざというときの対処法を知らないと焦ってしまうのがこのタイプの車の弱点でもある。
今回はTikTokでも話題になっている「エンジンスイッチの裏技」として、3つの実用的な知識を紹介する。どれも覚えておくだけでいざというときに役立つ情報だ。
① 助手席からブレーキを踏まずにエンジンを始動する方法
「助手席に乗っていてエンジンをかけたいけど、ブレーキペダルに足が届かない」——車中泊や暖機運転のシーンでよくある悩みだ。
実はプッシュスタート車には、ブレーキなしでエンジンをかけられる「緊急始動機能」が搭載されている車種が多い。トヨタ・スバルをはじめ、多くの国産車の取扱説明書にも記載されている機能だ。
手順はこうだ。
まずシフトが「P(パーキング)」に入っていることを確認する。次にスタートボタンを1回押してACC ONの状態にする。その状態からさらにスタートボタンを約15秒間長押しすると、エンジンが始動する。
なぜこれで始動できるのかというと、通常のエンジン始動はブレーキを踏んだ信号が必要な仕組みになっているが、長押しすることでその安全インターロックを意図的に解除する「緊急モード」に入るからだ。
注意点として、この機能はあくまで緊急用途を想定したものであり、Pレンジ以外では試みないこと。また車種によって非対応のものもあるため、自分の車の取扱説明書で確認しておくのが確実だ。
② スマートキーの電池が切れた時のエンジン始動方法
スマートキーの電池は1〜2年が寿命の目安とされているが、気づかないうちに切れてしまい、駐車場で慌てた経験がある人も少なくないだろう。
電池が切れてもエンジンはかけられる。手順を覚えておけば焦らず対処できる。
まずドアの開錠から。
スマートキーの側面にあるボタンを押すと「メカニカルキー」と呼ばれる物理的な鍵が出てくる。これを運転席ドアのキー穴に差し込んで解錠する。ドアを開けた際に警報音が鳴ることがあるが、エンジンを始動すれば自動的に止まるので慌てなくていい。
次にエンジンの始動。
シフトをPに入れ、ブレーキペダルを踏んだ状態で、スマートキーのロゴ面をエンジンスイッチ(PUSHボタン)に直接当てる。電池が切れていても内部から微弱な電波が出ており、ボタンに密着させることで車が認識できる仕組みだ。「ピッ」とブザーが鳴ったら、そのままエンジンスイッチを押せば始動する。トヨタ車の場合はブザー後10秒以内に押すのがポイントだ。
電池切れを防ぐためには、スマートフォンやパソコンの近くにスマートキーを置かないことが大切だ。これらの電子機器の電波がスマートキーを常に動作させてしまい、電池を早く消耗させる原因になる。スペアキーの電池も同時期に消耗していることが多いため、2年を目安に両方まとめて交換しておくと安心だ。
③ 運転者が意識を失った時、助手席の人が車を止める方法
高齢ドライバーの増加とともに、「走行中にドライバーが急病で意識を失う」という事故が現実的な問題として注目されている。JAFや自動車メディアでも対処法が広く周知されるようになってきた。
助手席から完全に車を止めることは難しいケースもあるが、知っているだけで被害を最小限に抑えられる可能性がある。優先順位の高い順に解説する。
まずは呼びかけと周囲への告知。
大声で呼びかけながら肩を揺らし、意識回復を試みる。同時にハザードランプを点灯させ、クラクションを鳴らして周囲に異常を知らせることが重要だ。
次に加速を止める。
アクセルが踏み込まれたままだと車は加速し続ける。シフトレバーを「N(ニュートラル)」に入れることで駆動力をカットできる。AT車はNレンジへの操作が比較的容易なため、まずここを狙いたい。
電動パーキングブレーキ(EPB)を活用する。
スバル・日産・マツダ・三菱などの一部車種では、電動パーキングブレーキのスイッチを引き続けることで緊急ブレーキとして使用できる。最近の車に多く採用されているため、自分の乗っている車にEPBがあるか確認しておくと心強い。
エンジンを強制停止する。
最近のプッシュスタート車は走行中にボタンを1回押しても反応しない設計になっているが、数秒間の長押しで強制停止できる車種が多い。センターコンソールやインパネ中央に配置されている車が増えているため、助手席からも手が届きやすくなっている。
ハンドルを操作して路肩へ誘導する。
運転経験がある人なら、助手席からハンドルに手を伸ばして車を路肩や安全な方向へ向けることも選択肢に入る。ただし高速走行中の急ハンドルはスピンの危険があるため、なだらかに誘導することが大切だ。
なお、エンジンを止めると油圧ブレーキとパワーステアリングのアシストが失われ、ブレーキもハンドルも一気に重くなる点は覚えておきたい。車が停止したら必ず119番・110番へ通報すること。
まとめ
今回紹介した3つの知識は、どれも「知っているだけで命や状況を救える」類の情報だ。
スマートキーの電池切れは誰にでも起こりうる日常のトラブルだし、緊急始動機能や意識喪失時の対処は、いざその場面になって初めて調べていては間に合わない。今のうちに自分の車の取扱説明書を一度確認しておくことを強くおすすめしたい。
特に電動パーキングブレーキ(EPB)の緊急ブレーキ機能については、車種によって対応・非対応が分かれるため、家族や同乗者と一緒に確認しておくのが理想的だ。


